JAL/ANA自社養成パイロット対策!実際に受験した航空機操縦教員が教える、内定をもらえる人の特徴。

      2018/04/09

 

先日、某社の自社養成パイロットの2次試験を受けてきました。現役時代は破綻の影響で採用停止していたので、1次面接、2次面接でパイロットへの熱意を伝えられることにただただ喜びました。

大人の事情で面接の雰囲気や内容は公開することができませんが、雑誌や採用ページなどで公式に公開されている情報をもとに自分の経験から考えられることを書いていきます。

ひとつ言えるのは、「受かる人は受かるべくして受かる」ということです。

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 自社養成パイロットに受かる人の特徴

自社養成パイロットに受かる人には特徴があります。

グライダー教官として日々練習生と向き合った経験、また私が受験する中で不合格になった人や合格した人の特徴などから「なるほどな」と思うことがたくさんあったので重要度順にまとめます。

1:明るく前向きな性格である(脳がストレスに柔軟である)

当然だろ!と思うかもしれません。就職活動では嘘でも明るくしないと採用してもらえませんよね。

しかし自社養成パイロットの場合は「明るく前向きな性格かどうか」を心理適性検査で判定します。

心理適性検査とは言い換えると「性格検査」ですが、性格は脳の特性です。

明るく前向きな性格はパイロットには絶対に必要です。パイロットという職業は人の命を預かっているという性格上多大なるストレスがかかります。精神障害を患っていたパイロットが航空機を自ら墜落させたジャーマンウイングス9525便の事故はまだ記憶に新しいでしょう。

このような事故を防ぐために、日本の航空会社は心理適性検査で科学的に性格を見抜いてやろうとしているのですね(推測)。

また、日本のエアラインパイロットとして働くために必ず取得しなければならない第一種航空身体検査には「精神及び神経系」という項目があります。日本の航空身体検査でこの項目が追加されたのは、1982年の日本航空350便墜落事故が発端となったからです。

大きなストレスにも柔軟に対応でき、うつ病などの精神障害になりにくい(そういう脳の特性を持っている)人が採用されやすい傾向にあるのではないでしょうか。

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2:自ら工夫して積極的に学んだエピソードを持っている(作り話でもすらすら話せる)

わたしは、どの会社も「自ら工夫して積極的に学んだエピソード」を求められることが多いと感じています。苦労して壁を乗り越えた経験や嫌々やっている活動の中から得た学びのエピソードなどですね。例えば「仕事で上司や先輩から言われて大きく成長した経験」などです。

これらの質問は一般的な企業の就職活動では当たり前に聞かれることですので就活生はすぐに答えられなければいけません。しかし、パイロット訓練生の採用という性格上この手の質問がやたらと多くなるのです。

わたしはグライダーの教官をしてます。グライダーなんて小型飛行機の免許を普通自動車免許とするとグライダーは原付みたいなものなのです。それでも一人で飛べるようになるまでに1年以上かかるほど航空機の操縦は難しいのです。

車は左右方向の動きだけをコントロールすればいいので簡単ですが、飛行機は上下左右の4つを安定させなければなりません。速度の調整も操縦かんやスロットルを1ミリ動かしただけで10キロ、20キロと変化してしまいます。当然飛行機を操縦したことがない人にとっては大きな壁となるわけです。

ただ1か所だけ、着陸(接地)の瞬間の舵の使い方を直せばいいだけなのに1年も改善できない人はざらにいます。効率よく上達するためには「何ができないのか」、「どう改善すればいいのか」を自分が仕入れた情報から考えなければなりません。

面接官を納得させられる「自ら工夫して積極的に学んだエピソード」を何個もすらすらと話せなければいい結果は得られないかもしれない←ということです。

3:面接官の質問に自分の言葉で答えられる頭が良さを持っている

面接官の質問に自分の言葉で答えられるかどうかは大きな判断基準となっています。これはどの職種でも同じですね。パイロットの場合はこの能力が若干強く求められます。

パイロットの訓練ではいくつもの試験を受けなくてはなりません。それもただの筆記試験だけではなく、国土交通省の試験官と1対1で3~6時間の口頭試問と実機での審査があります(型式証明や准定期運送用操縦士ライセンス以上は2日かけて行われると聞いたことが...)。

航空の知識や操縦の技量だけではなく、それを説明したりデモを行ったりする高度な会話・トークスキル、計算力や判断力が必要となってきます。これらの能力は前頭連合野のワーキングメモリという機能が中心となっているようですね。

子供のころからピアノを習っている人はワーキングメモリが発達しているそうです。自分は習ってないや…と落胆している方も、脳の前頭連合野(灰白質)は25歳くらいまで発達するので諦めるのは早いかもしれません。

友人や家族とよく話したり、考える勉強をし続けるのが良いのかもしれませんね。

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4:マルチタスクが得意である

残念ですが「マルチタスク能力」は自社養成パイロットの採用に大きく関係します。

というのも、エアラインパイロットには同時に複数の事柄に注意を払って処理を行うマルチタスク能力が求められるからです。

例えば無線のやり取りをしながら天候の変化に気を使い、キャプテンや副操縦士とのコミュニケーションやキャビンの状況把握などを同時に行わないといけませんよね?さらに飛行中の状況は時々刻々と変わっていく中で焦らずに的確な判断をしなくてはなりません。

ですから一つのことに集中するとほかのことが目に入らなくなるような人はエアラインパイロットには不適格と考えられているのです。このマルチタスク能力を見るのが「操縦適性検査」です。

操縦適性検査の内容をここで語るのは社会人として問題がありますので控えます。まだ大学に言っていない人は、大学進学後に先輩に聞いて早めに情報を仕入れましょう。

ドラマの「ミスパイロット」で似たようなシーンがあったような…バランスゲーム(フライトシミュレーターの場合も…)をしながら暗算をして質問に答えるような…。おっと誰か来たようだ。

5:英語を”話すこと”に抵抗がない

「英語が話せなくてもパイロットになれる」や「TOEIC600点を取っていれば安心」などをうたっている怪しいフライトスクールが日本には数多く存在しますが、全てうそです。航空の世界では管制官や航空機間の無線のやり取りはすべて英語で行います。

ある程度決まった言い回しがあるとはいえ、海外で緊急事態等が起こった場合にはその内容を英語で伝えられなければなりません。そのために「英語で話す」能力は必須となるわけです。

自社養成パイロットの場合は訓練開始まで時間がありますので次の2つのポイントを満たしていれば採用される可能性は十分にあるようです。

  • 英語を話すことに抵抗はないか
  • 英語を話す機会を自ら設ける努力をしているか

あくまでもポイントは「英語を話す」です。当然、面接でもその点を深く聞かれるかもしれません←

英会話と大学受験英語はまったく違います。まったく英語が話せない人は1週間ぐらい英語だけの環境に漬かるとあら不思議!日常会話程度は話せるようになります。

(2018年4月9日追記)

去年から陸上単発機(プロペラエンジン1つの飛行機)のライセンスを取得しようとカナダへ単独で分割渡航訓練をしているのですが、日常会話以上の英会話力が求められると実感しています。忙しい空港だとタワー(管制官)からの指示が常に剛速球で飛んできます。航空無線特有の定型文だけならいいのですが、管制官の親切心や切羽詰まった状況に遭遇した時などはネイティブ英語で詳しく指示が飛んできます。これがまた聞き取れないのです。また、自分が上空で困難に遭遇した時には英語で助けを求めなければいけません。日本国内で趣味で飛ぶだけならともかく、プロを目指すのであれば相応の英語力は必要でしょう。

採用試験の時点では簡単な英会話程度ができればいいと思いますが、いつまでもそのような気持ちでいるともし採用されたとしても訓練に耐えられないのでは?と最近では考えています。


プロのパイロットですらこんな状態ですからね...

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まとめ

自社養成パイロットとして採用される人には特徴があります。

重要度順に

①自ら工夫して積極的に学んだエピソードをすらすら話せる

②明るく前向きな性格である

③面接官の質問に自分の言葉で答えられる頭の良さを持っている

④マルチタスクが得意である

⑤英語を”話すこと”に抵抗がない

の5つです。自社養成パイロットと言っても普通の就職採用試験ですので、謙虚に学べる人間性が好まれるようです。



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社会人4年目のゆとり。陸単自家用ライセンス取得のためカナダに分割渡航で操縦練習中。訓練機にあえてC152を選ぶ変態。グライダーの自家用と教育証明を取得済み。


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