【航空留学】海外でエアラインパイロットを目指す道。日本の自社養成は珍しい制度です。

      2017/09/16

 

2016年6月、旅行を兼ねてカナダのフライトスクールを視察してきました。

カナダ在住の日本人インストラクターの方に海外、特にカナダの航空事情についてお話を聞かせていただきました。

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海外でのパイロットへの一般的な道筋

日本のように企業の自社養成制度や航空大学校のない海外エアラインパイロットは、全員以下のような道をたどります。

①自家用操縦士技能証明 取得

②夜間飛行証明 取得 ※カナダでは事業用操縦士ライセンス(CPL)試験受験に必要なため

③事業用操縦士技能証明 取得

④操縦教育証明 取得

⑤教官として働いて飛行時間を貯める

⑥現地の永住権取得を取得

⑦多発限定免許と計器飛行証明を取得

⑧航空会社に応募

航空機のライセンスは国ごとに決まっていますので、働きたい・働ける可能性のある国ですべてのライセンスを取得する必要があります。

ご参考:各ライセンスの英語名(()内は略称等)。
自家用操縦士技能証明=Private Pilot License(PPL)
夜間飛行証明=Night Rating
事業用操縦士技能証明=Commercial Pilot License (CPL)
操縦教育証明=Instructor Rating
多発限定免許=Multi-Engine Class Rating(ME)
計器飛行証明=Instrument-Rating(IFR)

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教官としてフライトスクールで働くのが一番現実的

ツアーのためのチャーター便や農薬散布の仕事など教育証明を必要としない仕事もありますが、その数は非常に少ないのが現状です。加えて毎日フライトがあるとは限らないので、フライトタイムの蓄積には非常に時間がかかります。

対してインストラクターをしているのはエアラインパイロットを目指している人ばかりですので、一定の割合で退職していきます。ポストさえ空けば、比較的容易にインストラクターとして雇ってもらえます。

多発限定免許と計器飛行証明を最後まで取得しない理由

パイロットのニーズのほとんどがVFR(有視界飛行方式)の単発機

ツアーのためのチャーター便や農薬散布の仕事のほとんどはVFR(有視界飛行方式)で行われています。VFRとは、周りの景色をパイロット自信が目で確認しながら飛行することです。航空法に絡めて難しくいうと、「IFR(計器飛行方式)以外の飛行方式で、国土交通大臣(管制官)の指示に常時したがって行う飛行の方式」です。例えば飛行機が雲の中を飛んでいるときは、パイロットは外の景色が見えませんよね。この場合はIFRでの飛行が必要になります。

単発機とは、エンジンが一つだけの飛行機です。2つ以上のエンジンが付いているものは多発機と呼ばれます。

単発機限定でもインストラクターができる

フライトスクールのインストラクターとして働くためには、多発限定免許と計器飛行証明の免許は必要ありません。もちろんすべてのライセンスを持っていれば教育の幅が広がるのでフライトスクールによる採用の可能性も高くなると思うのですが、インストラクターをしながらステップアップしていくケースも多いようです。

取得したライセンスすべてに対して2年に1回の技量確認試験が必要

パイロットは法律で、2年に1回技量確認のための試験を受けなければいけません。その試験は各ライセンス毎に必要になってきます。つまり、

①自家用操縦士技能証明=Private Pilot License(PPL)
②夜間飛行証明=Night Rating
③事業用操縦士技能証明=Commercial Pilot License (CPL)
④操縦教育証明=Instructor Rating
⑤多発限定免許=Multi-Engine Class Rating(ME)
⑥計器飛行証明=Instrument-Rating(IFR)

の6つの試験を受ける必要があります。その受験費用も6つ分になります。

※計器飛行証明を取得すれば夜間飛行証明は必要なくなるかもしれませんが、現時点で調査できてないため不明です。

ちなみにこの技量確認制度は日本にもあり、2013年(くらい…)から導入されました(特定操縦技能審査制度と言います)。

将来働く可能性のある国で仕事を見つけるべき理由

将来働きたい国でパイロットとしての仕事を見つけるべきです。なぜならその国で働いた経験が、エアライン応募に必要な「永住権」取得の要件に関わってくるからです。

例えばカナダの場合、永住権の取得はポイントによる審査制になっています。これは個人が年齢・学歴・職歴・語学力等の項目で審査され、合計ポイントが67点以上で永住権が得られます。職歴の項目がありますので、カナダ国内で仕事をすることにより十何点かもらえるます

日本のパイロットの待遇は良くない

全日空の機長の平均年収は2500万円だといいます。日本のLCCの機長は年収1000万円にも満たないそうです。対して海外(主にカナダ)のパイロットは、全日空のキャプテンの2倍、3倍もの給料をもらっていて福利厚生も圧倒的に良いとのことです。

日本のLCC等に努めるパイロットには、海外の航空会社に転職したいと考える人が多くいます。実際に、日本航空のパイロットで永住権等の問題をクリアしていたパイロットは、前回の破たん時に海外の航空会社に流れたようです。

(すべて、現地で伺った話です)

まとめ

今回訪れたBoundary Bay空港で訓練をしていた人の中には、奥さんと子供を日本に残してパプアニューギニアで農薬散布の仕事をする方や、すでにフライトタイムを稼ぎ、エアカナダでパイロットをしている女性の方もいるそうです。

私が訪れたときには、パイロットが諦められなくて仕事を辞め、Boundary Bay Airportで訓練に来ている26歳の方もいました。ちなみに彼は、私が訪問した日の3日後には自家用操縦士の実地試験があるとのことで、とても余裕がなさそうでした。

パイロットになりたくて、パイロットの身体検査をパスすることができるならば、年齢なんて関係ないのではないでしょうか。少なくとも、今回のカナダ訪問で諦めるべき理由は見つかりませんでした。

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社会人4年目のゆとり。陸単自家用ライセンス取得のためカナダに分割渡航で操縦練習中。訓練機にあえてC152を選ぶ変態。グライダーの自家用と教育証明を取得済み。


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